剣持デザイン研究所 / Kenmochi Design Associatesは、日本インテリア界の黎明期を築いたデザイナー、剣持勇(けんもち いさむ)が1955年に創設したデザイン組織です。官公庁、オフィス、ホテルを中心としたインテリアやプロダクト、家具、車両など、幅広いデザイン活動を行っています。剣持勇は、1912年生まれ、東京都出身のインテリアデザイナーです。第二次世界大戦後、ミッドセンチュリーデザインを代表する、チャールズ&レイ・イームズやジョージ・ネルソンらと交流を深めました。渡辺力、柳宗理、長大作、水之江忠臣らと共にジャパニーズモダンと呼ばれるデザインの礎をつくったと言われています。1932年、東京高等工芸学校木材工芸科(現・千葉大学工学部デザイン学科)を卒業後、商工省の工芸指導所に入所し、工業デザインや家具デザインに没頭しました。後に天童木工に迎えられる乾三郎も入所し、「デザインの剣持」と「成形合板の乾」との出会いが、天童木工より数々の名作家具を生み出すきっかけとなりました。1964年、ホテルニュージャパンのラウンジに使われていた、籐で立体的に仕上げられたラウンジチェア「C-3100」が、日本の家具としては初めてニューヨーク近代美術館(MoMA)の永久収蔵品に選定されました。