Eero Saarinen / エーロ・サーリネンは、アメリカで活躍したフィンランド人の建築家でプロダクトデザイナーです。多くの建築物や家具デザインを手掛け、シンプルで印象的なアーチ状の構造を作品に取り入れることで知られています。1910年、フィンランドのヘルシンキに生まれ、1923年に家族でアメリカへ移住。パリに留学し、彫刻を学んだ後、イェール大学で建築学を学びます。その後、建築家である父が学長を務めるミシガン州のクランブルック美術大学でデザインを学び、在学中にチャールズとレイ・イームズに出会います。1937年に、父と共同で建築設計事務所を設立。1940年には、ニューヨーク近代美術館主催の「住宅家具のオーガニックデザイン」コンペに、成型合板を使った椅子などをチャールズ・イームズと共同で出品し、2部門で優賞。これによりチャールズ・イームズと共に一躍注目を浴びます。幼い頃からデザイナーのフローレンス・ノルと深い親交があり、彼女のデザインにも多大な影響を与えています。フローレンスがKnoll / ノルに入社した1940年よりKnollとのコラボレーションを開始。その後「グラスホッパー・チェア」をはじめ「ウーム・チェア」や代表作となる「チューリップ・チェア」シリーズなど数々の名作を世に出します。1950年に父が逝去した後に事務所名を改称し、ジョン・F・ケネディ国際空港のTWAターミナルビルなど、コンクリート・シェル構造を用いた流れるような曲面の表現主義的なスタイルの建築を確立させ、一世を風靡し、アメリカのミッドセンチュリー期における重要な役割を果たしています。1961年に逝去。