Thyme CHEST 105

松井木工は、大正15年に創業した歴史ある家具メーカーです。創業以来、家具の町として有名な広島県府中市にて、箪笥を中心とした生活家具を製造してきました。伝統的な製作技法を大切にしながら、日本の風土や習慣に根差した家具をつくり続けています。現在は、長年にわたり蓄積してきた家具づくりへのこだわりを活かし、新しいスタイルと融合した価値を作り出しています。居住空間や生活スタイルが変化する中、これまでにない新しい視点でのものづくりを目指して、デザイナーと経験豊かな職人との協働によって創造した家具を発表しています。完成までに幾度も綿密な打ち合せをかさね、試作を繰り返すことで、デザインの細部にわたり確認と修正を行っています。現場では、デザイナーと職人が最も近い距離で対話し、製作を進めています。その密な関係性を重視し、日々の道具として満足のゆく高品質な家具を提供しています。

村澤 一晃 / Murasawa Kazuteruは、1965年生まれ、東京都出身のデザイナーです。ICSカレッジオブアーツを卒業後、垂見健三デザイン事務所を経て、1989年にイタリアに留学。1990年よりミラノのセルジオ・カラトローニデザイン建築事務所に勤務し、家具・インテリアデザイン、展示会会場デザインを中心に担当しました。1994年に「MURASAWA DESIGN（ムラサワデザイン）」を設立。現場で手を動かし、それぞれのメーカーとの関係を育てていくデザイン手法で、家具を中心とした生活道具全般のデザインを手掛けています。「デザインは生活や行動の全ての中にある」を信条に、机で図面を描くのがデザインではないことを実践しています。国内外200以上の工場を巡り、生産現場の個性を生かした製品の開発を行いながら、継続性のあるモノづくりの環境創出に取り組んでいます。杉山製作所や松井木工、AKI＋（アキ プラス）、REAL Style（リアルスタイル）などから、多数の家具を発表しています。