北奥美帆 × NUNO × FLYMEe
牛 no.33

牛 no.33 - 竹籠

1級椅子張り技能士の資格をもつ作家・北奥美帆がつくる動物型スツールが、世界の第一線を走るテキスタイルデザイナー・須藤玲子が生み出す多様な「布」とコラボレーション。現代の木製家具の構造と作り方をベースに、家具として使える強度で制作されています。日本各地の技巧を凝らしたテキスタイルの個性豊かな表情とともにお楽しみください。すべて一点限り、FLYMEe限定販売です。

テキスタイル - 竹籠 / Bamboo Basket（生産地：埼玉県飯能市）
竹で編んだ籠がデザインモチーフ。緻密なジャカード織物ですが、伝統的な刺し子を模して仕上げていることから、刺し子と呼んでいます。須藤さんが手描きしたイラストを再現した柄は、一点一点は緻密でありながらも手描きならではの揺らぎが心地よく、同柄の連続から生まれるパターンが面白いテキスタイルに仕上がっています。

表地はブラック、裏地はベージュのリバーシブル仕様。コットン（黒）、ポリエステル（ベージュ）という異素材からなる2種類の糸は、それぞれに伸び率が異なるため、表と裏で織り分けるためには熟練職人の技術を必要とします。糸の伸縮率の違いにより生地に膨らみが生まれ、凹凸による表情も豊か。牛のあたまとしっぽにリバーシブルの特性を活かして、ツートーンで仕上げています。

北奥美帆 コメント
人間のために動物を殺したり交配して選別したりするなんて酷いと思いつつ、それでも脈々と続く、生きるために肉を食べて産業する人間の文化の重さにひれ伏しながら、家畜を供養するつもりで制作しています。しかし、農村や産業のなかでいち歯車として生きると自分も家畜であるかのような気分になるのを、家畜を作ることで慰めているのかもしれない。
柄合わせが鬼の難易度でしたが、両面使えたりツヤツヤだったり、張ると曲面になって模様の見えかたが変化したり…
布の奥深さがよくわかる生地を扱うのが楽しかったです。

北奥 美帆（きたおくみほ）プロフィール
2013年、東京藝術大学美術学部デザイン科卒業。素材および加工技術への理解を深めることを目的に、同年、木製家具メーカーの製造部に入社。製造現場にて5年間の実務経験を積んだ後、2018年秋より勤務形態を半日勤務に変更し、創作活動を開始。2021年に同社を退職し、以後は作品制作に注力している。1級椅子張り技能士の資格を有し、確かな技術に裏打ちされたものづくりを基盤に、家具という実用的な領域と芸術表現の境界を探る活動を展開している。

須藤 玲子（すどうれいこ）プロフィール
茨城県石岡市生まれ。株式会社 布 代表。東京造形大学名誉教授。2008年より良品計画、山形県鶴岡織物工業協同組合、株式会社アズ他のテキスタイルデザインアドバイスを手がける。2016年より株式会社良品計画アドバイザリーボード。毎日デザイン賞、ロスコー賞、JID部門賞、円空大賞、芸術選奨文部科学大臣賞（美術A部門）等受賞。日本の伝統的な染織技術から現代の先端技術を駆使し、新しいテキスタイルづくりをおこなう。作品はニューヨーク近代美術館、メトロポリタン美術館、ボストン美術館、ロサンゼルス州立美術館、ビクトリア＆アルバート博物館、東京国立近代美術館他に永久保存されている。