Newborn

ニューボーン

制作：2017年

作家コメント
「Newborn」は2017年作のものですが、2019年の星野リゾートのBEB5軽井沢で開催した「Name me!」展で、初出品をした作品です。出品時にはタイトルがまだ無く、展示会期中に鑑賞者に名付けをしてもらうイベントをし、その募集の中からイメージに一番近い言葉をタイトルとして付けました。

この展示の直後、NYのリンカーンセンター内で海外での初個展を開催したのですが、その展示名を「KADOTA」という、あえてファーストネームを取り、ファミリーネームを強調することで、ある種、名を捨てるような覚悟で世界に臨みたいというような決意と、決して失うことなく継承したい自身の文脈というような、２つの意味を込め、その表明を試みました。

その展示は、Cy Twomblyという歴史的巨匠を叔父にもつ有力コレクターのコーディ・フランケッティ氏から「門田の作品は、一見バラバラに見える色彩が、一つの色彩のコンセプトとしてまとまっている」と大きな評価を受けました。「Newborn（新生児）」は、ちょうどその時の過去とも向き合いつつ、新たに前を向いて挑戦をしたいという気持ちを代弁するような名付けとなりました。

門田 光雅（かどた みつまさ）プロフィール
1980年静岡県生まれ。 絵画の地と図への関心や、伝統的なメディウムの限界への挑戦、 色彩と筆致の相対的な関係性への模索の中で、美術の文脈の先にある絵画表現の新たな地平を探求している。そのスタイルが評価され、2019年にはMoMAのヤングパトロン協議会（旧ジュニアアソシエイツ）との共催でNYのリンカーンセンターにて個展を開催。近年では、「カラーズ ― 色の秘密にせまる 印象派から現代アートへ」（ポーラ美術館 2024）、「絵画のミカタ 5人のアーティストとみる群馬県立近代美術館のコレクション」（群馬県立近代美術館 2020）、「The ENGINE 遊動される脳ミソ 小野耕石×門田光雅」（セゾン現代美術館 2019）などに出品。セゾン現代美術館に作品が収蔵されている。